育ちは凸凹(でこぼこ)〜感覚統合ってなぁに?〜 第6回

もちろんそれぞれの「感覚」の話も長いに決まってます。心して読んでください


前回は、不器用や苦手もその行為自体の経験不足だけが原因ではなく、視点を変えてもっと根本的な「基礎感覚」の発達の部分を見ていくことで、不器用や苦手も「楽しい」に変えられるし、そのためには、僕たち大人がこどもたちの「やりたい」という潜在的な欲求を叶えていける、「楽しくて楽しくて遊びが止まりません環境」をつくっていくことが大切ですよね、というお話でした。


ここからは、こどもたちの「やりたいを引き出す環境」という目的を見失わないように気をつけながら、五つの「基礎感覚」が、それぞれ「どんな役割なのか」や「遊びの中でどのように作用しているのか」を考察していこうと思います。


というわけで聴覚から始めようと思います。聴覚について深く考える機会って少ないと思うんですよね。そもそも聴覚の情報ってどこから得られると思いますか? そうです。耳から入ってきますよね。ではその音がどうやって脳まで伝わっていくか知っていますか? そろそろぼんやりとしてきましたか? でも大丈夫です。簡単な流れになりますが、今から僕と一緒に知っていきましょう。


音(空気の振動)は、まず鼓膜を揺らし、鼓膜の先にある3つの耳小骨(じしょうこつ)で増幅(約20倍になります)されます。増幅された振動は、内耳(ないじ)へと進み、内耳内を満たしているリンパ液を振動させます。リンパ液の振動で有毛細胞に生えた毛の形が変化すると、電気信号が発生し脳へ伝わり、音として認識されるという流れになっています。簡単に言うと、耳の中のあらゆる器官が揺れに揺れまくって、電気が発生し脳に飛んでいくと、空気の振動が「音」になるのです。「音」は声、言葉、音楽、物音など、さまざまな意味を持っています。こどもたちは胎児のうちから音を聞いています。そして脳の発達が進み、1歳頃から少しずつ意味のある音として認識していきます。


では、聴覚を通した乳児の感覚遊びとはどのようなものでしょうか。乳児は反射によって体が反応する状態から、少しずつ体をコントロールして動かすことができるようになっていきます。「お母さんの優しい声」に反応し、「音のするほうに眼球を動かす」のも、聴覚を使った感覚遊びと言えると思います。その声や音があることで、脳に感覚刺激が伝わり、音の鳴るほうを目で追いたくなるわけですから、これはもう立派な感覚遊びなんじゃないでしょうか。やりたいという意思が芽生え始める時期に、動きを引き出すという視点は大切なように思います。


めちゃくちゃ余談になりますが、こどもにはたくさん話しかけたほうがいいってよく聞きますけど、なんでなんだろうって思いませんか? すぐに疑問を持ってしまう僕は調べてみました。こどもたちは大人から話しかけられることで、言葉を理解していない時期でも脳が反応し、神経細胞同士がつながっていくそうです。僕が見た実験の動画では、大人が話しかける言葉の数を5%増やすだけで、こどもが発する言葉の数が13%、会話の数も38%増えていて、小難しい話は抜きにしても、単純にそれだけでこどもたちにはたくさん話しかけたほうがいいんだなと思いました。


すみません。余談が過ぎてしまい、今回はこの辺でお別れとなってしまいました。次回は、外遊びの中にある聴覚からの感覚刺激とはどんなものなのかを書いていこうと思います。最後に僕の傑作で今回のお話を振り返りましょう。どうぞ。



今回も最高です。ではまた。



 

小野寺聡太(おのでらそうた)
バンド活動中心の生活を続けながら、ライブハウスに就職し企画制作、映像編集、プロデュースのようなことを10年続ける。現在、株式会社アネビーにて、環境に合わせた遊具の設計と提案を繰り返し、こどもたちの遊び創りを研究中。日本感覚統合学会会員(新人)。2児の父。

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