育ちは凸凹(でこぼこ)〜感覚統合ってなぁに?〜 第2回

まことに遺憾ながら、今回も「感覚統合」の説明にはたどり着けなさそうです


さて、どうやら「発達」と「遊び」には密接な関係がありそう、というところまで考えました。今回は「発達と遊びの密接な関係」という、わかるようでわかりにくい関係を、要素分解し具体的な行動と結びつけて、わかりやすく解き明かしてみようと思います。


まず始めに、「楽しい」という快楽を感じなければそれは遊びではないということを前提としておきましょう。楽しくない、気持ち悪い(不快な)ことはやりたくない。これは僕たち大人も同じですよね。とってもシンプルです。


「ハイハイ」という行動は、ダイナミックに体を動かす運動遊びです。「ハイハイ」をするためには、仰向けの状態から、「うつ伏せ」になることができなければいけません。自分の力を使って、重力へ勝負を挑みます。そして、「うつ伏せ」になった自分の体を、これまた重力に打ち勝ち、手の平と膝を床に押しつける形で、グイッと持ち上げなければいけません。さらに、その不安定な状態を維持しながら前進するには、筋肉・関節の力加減やバランスの調整などを、脳が企画し指示を出せないと進めません。


このように、「ハイハイ」もその時期のこどもにとっては大冒険で、行く手を阻む障害物(例えば柵や椅子など)が出現すれば、視覚やボディイメージと照合し、計算して避けたりもしていきます。これらすべての行動は、楽しい(快)か楽しくない(不快)かで判断されていて、不安定さへの挑戦や重力への反発など、さまざまな「感覚」を楽しいと感じることで、何度も繰り返し実行されます。


何度も繰り返し実行された遊びは、さらなる冒険を求めます。いつもなら避けていた障害物に手を伸ばし、それを強く握りしめ、「よいしょ!」と自分の体を持ち上げます。今できるほんの少し先の挑戦は、「つかまり立ち」という新たな冒険の地へとつながっていくのです。その地でも遊び(楽しいこと)は何度も繰り返され、精度を上げて次の発達(冒険)へと進み、新しい感覚刺激(宝物)を手に入れるわけです。


こう考えていくと、「発達」と「遊び」はほぼ同じ要素で構成されていそうじゃないですか?つまり、「今できる遊び」=「発達の段階」と言えそうです。どうでしょうか?この宝探しの冒険は、こどもたちの脳から指令され、筋の収縮運動として体に表出され、「遊び」という名で呼ばれることになります。筋の収縮運動は、脳が発達することによって精度を増していきます。ではこの「脳の発達」には何が必要なのでしょうか?


次回は「『脳の発達』に必要なものってなに?」をテーマに、ようやく「感覚統合」とは何なのかにつなげられるかと思います。どうですか?「感覚統合」がチラっと見えてきましたか?え?まだまだ背中も見えませんか?その声もグッとしまっておいてください。


今回もつたない文章では伝わりきらない部分もあるかと思いますので、まとめを視覚化していきますね。こちらをどうぞ。色味が最高ですよね。ではごきげんよう!




 

小野寺聡太(おのでらそうた)
バンド活動中心の生活を続けながら、ライブハウスに就職し企画制作、映像編集、プロデュースのようなことを10年続ける。現在、株式会社アネビーにて、環境に合わせた遊具の設計と提案を繰り返し、こどもたちの遊び創りを研究中。日本感覚統合学会会員(新人)。2児の父。

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